宮古島ストロングマン46歳の初挑戦!!
1994,4,24
空は青く澄み、波も無く、鍛え抜かれたアスリート達は静かに出番を待っている。‘94年4月27日、第10回の記念大会を迎えた宮古島前浜ビーチのスタートラインに私も立っている。・・・思えば10年前、第1回大会のこのシーンを春スキーに出かけた、月山姥沢小屋のテレビの前で食い入るように見つめていたのをつい昨日の事のように思い出される。
AM8:00、「プォ〜」というスタート合図で1,000人を超える選手は弾かれたようにマリンブルーの海へ身を投じた。飛沫が太陽にきらめき、飛魚が乱舞しているような光景は見るものを圧倒する。・・・192kmというロングデスタンスは一度も経験した事も無く、ちょっぴり不安がよぎる。長い1日になるであろう序章の海へ私も静かに身を任せた。・・・心はやけに落ち着いている。3kmのスイムは青く澄んだ海と、綺麗な熱帯魚に見とれているうちに泳ぎ切っていた。一番心配していたバトルにも巻き込まれず、思っていたより楽にスイムを終える事が出来た。タイムは66分39秒、まあこんなものだろう・・・
トランジットエリアでボランティアの高校生にトラバックを受け取り、バイクラックに急ぐ。思うようにシューズが履けない・・・焦る。「慌てるな!始まったばかりではないか!落ち着け!」もう一人の自分が言い聞かせるのだが体が思うように動かない。
さあ、155kmのバイクだ。’93年3月に園田さんと千葉の太海迄の180kmと今年1月に150kmを大脇君と走ってはいるが大会でのロングに挑戦するのは始めてなのでどうなるか?・・・メカトラブルがあったらどうしよう?不安がよぎる。

だが出足は好調だ。大分心も落ち着いてきた。
池間大橋を渡りきり、緩い登りにさしかかった時、突然ペダルが軽くなり、慌ててバイクを降りて見ると、急にギアチェンジしたためにチェーンが外れてしまったのだ。脇道にそれチェーンを直しにかかるが慌てているためになかなか戻らない。
どんどん追い抜かれてしまう、焦った・・・やっとの思い出チェーンをはめレースに復帰、再び前を行く選手を追走する。長い登りが続く。息があがる、なんとか2周目に入る。今度は左足の土踏まずに痛みを感じる。だんだん不安になってくる。しかし、それ以外は足が良く回ってくれる。この痛みさえなくなれば、そしてパンクさえ無ければ何とか上手く乗り切れそうだ。我慢だ!そう自分に言い聞かせペダルをこぐ、必死にこぐ。地元の応援やボランティアの人達に励まされ前へ前へとバイクを進める。街の歓声が聞こえてくる。
垣花さんの家の前(看板屋さん)にさしかかると、お世話になっている舟山さん達の私設応援がひときわ大きくなる。・・・力が入る。さあ、長かった150kmのゴールは目前に迫ってきた。バイクゴール、ボランティアの若者が自転車を止めてくれる。トラバックを受け取りテントに急ぐ。ランウエアに着替え外にでる。屈伸をし、給水を受けランに入る。タイムは6°24′予想通りだ。ここまでは上出来だ。あとランを4°00′でクリアすれば、目標の10°30′・・・いいぞ!
ランも好調だ。5km付近の“宮塚選手ワイドー”の看板の下に“がんばれ矢口、国分”の看板もあった。垣花さん(地元の議員さんで看板屋さん)が舟山邸に宿泊の選手を激励する為に無料で作ってくれた看板だ。いやが上にも気合いが入る。10km付近で先行していた国分さんをゲット、“大丈夫?”、“うん、先に行ってくれ”・・・“じゃお先に”これが初ロングかと思うぐらい快調だ。4月の宮古島は暑い。給水を充分に取ろう!しかし、15kmを過ぎて徐々にペースが落ちてきた。苦しい。足がだんだん重くなって来る。ここが我慢のしどころなのにやはり練習不足が現れてきた。
前年10月に申し込みをしてから、ランは月間150〜200kmをこなして来たが、バイクは1月150,2月190,3月270kmしか走ってないのだ。これで10°30′なんてどだい無理な目標だったのだ。スイムに至っては1月10kmの他は5〜7kmじゃ無理だよなあ〜これで良くバイク迄予定通りに行ったのが不思議なくらいだ。・・・
18km地点、遂に足が止まってしまった・・・沿道の人に励まされるが思うように進めない。だんだん後方(国分さん)が気になって来る。やっと保良の折り返しが見えて来た。長い上り坂だ。応援の人が沢山待ってくれている。歩くわけにはいかないので必死に走る。笑顔で答えたいのだが頬が引きつってるのが解る。なんとかUターン!残り20km。
歩いたり、走ったり、止まったりの繰り返しが続く。それでも25km付近で田辺絹ちゃんをゲット、女子エリートを抜き、少し元気が出て来る。足は相変わらず重い。なだめすかしながら35kmまで辿り着く。残り7km、あと少しだ。もう看板屋さんだ。舟山さん達の大きな声援と私設エイドに助けられ最後の気力を振り絞りゴールへ向かう。

街の応援が大きくなる・・・グランドが見えて来た。なんとか明るいうちに戻ってくる事が出来た。グランドに入る手前で3人をゲット・・・本当に最後の力を振り絞る・・・場内アナウンスに促されサングラスとキャップを外す・・・笑顔を作ってのゴールだ!!
参った!やった!終わった!・・・腹減った!!・・・オミノさん、飯島さんが出迎えてくれた。・・・嬉しい!!タイムは10°57′39″・・・30分のオーバーだ。だが、あの練習量でこのタイムは出来すぎだ。グランドに大の字になり、初ロング完走の余韻に浸る。
・・・まもなく国分選手も無事ゴール、お互いの健闘を讃え合う!
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